「灼熱セミナー」が開催されました!
今年は「危険な暑さ」という言葉が飛び交っていますが、皆さんの地域ではいかがお過ごしでしょうか?
幸い水俣では猛暑日はほとんどなく、エアコンなしの水俣エコハウスでは変わらぬ毎日を過ごしております。
お縁には梅干しが干され、風鈴が鳴り、室内では扇風機が回り、まさに「夏」!
そんな中、8月4日(土)、1年で一番暑い時季の一番暑い時間、14時のエコハウスで「灼熱セミナー」がスタートしました
「灼熱セミナー」とは、水俣エコハウスを設計された古川保さん(古川設計室/熊本市川尻)が、「暑いときにどう暑くなく過ごすか」をテーマに、実験を交えてお話しされるセミナーです。
この夏のエコハウスの室温は午後に32℃程度。午前中はとても過ごしやすいですが、午後になると「暑いなぁ」と言いながら過ごしています。
でも夏だからある程度暑いのは当たり前! 風の気持ち良さを感じたりして、案外過ごせてしまうものです。
しかし、その「ある程度の暑さ」を越えたらエコハウスのような家はどうなるのか、「ある程度」とはどれくらいまでなのか。
今年は例年以上に暑さのことが問題になっているので、管理人も我が身のこととして真剣にお話しをお聞きしました。


そこでこんな実験です。
クロスの壁と、木の壁と見立てた箱の中に、それぞれお湯の入った湯呑を入れ、蓋をしてしばらく待ちます。
さて、2つの素材の間に湿度の差(調湿効果の違い)があるのでしょうか!?
クロスと木ではちょうど10パーセントの違いがありました!もちろん木の方が低くいです。
ということは・・・ これで体感温度は1度は違いますよね!
扇風機が風速2メーターで2度、木や土壁、畳の造りによって1度。これで3度くらい体感温度が下げられることになります!
室温が33℃あったとしても、感じているのは30℃くらい。この程度だと、エアコンなしでも過ごせるということです。
エコハウスのような開放的で緑に囲まれた空間だとなおさらですね
他にも、打ち水の効果(表面温度が下がりました)や、
いろんなところの温度を測って、素材による違いを実感しました。
日なたのアスファルトはなんと48,6度 それが草むらは37,4℃でした。
アスファルトに囲まれたら異常な暑さになること、緑があるとどれだけ助けられているか、よく分かりました。
軒を長く出すことも大切です。 水俣エコハウスの軒の出は2メーター近くあります。
デッキの先端は45,2℃。 室内の入り口付近では34℃まで下がっていましたよ!
参加者の皆さんは、熊本から来られたご夫婦やご家族、水俣在住の方など17名。
1人約100W発熱してるそうだから、この日は全部で・・・(笑)
自家製の梅ジュースやキュウリの漬物で涼を取りながら、セミナーは16時で一旦終了。
その後、熊本地震の経験をもとに、地震の性格や古川さん設計のお家の被害の特徴や、伝統的構法の強みを聞かせていただきました。
終了後は、皆さんエコハウスを見学したり、古川さんに質問したり、おもいおもいに過ごしていかれました
近所のおじさんに教えてもらって作っておいた「竹の水鉄砲」も大活躍♪
夏を夏らしく過ごしていると、思わず笑い声が弾けます^^
今はエアコンがあるのが当たり前で、少しでも暑いと悪い事のように受け取られる感じがして、見学者を案内するときにどこかそういう意見を気にしている自分がいました。
でも、古川さんのお話しを聞いていると、
そもそも「快適」である必要はないんだ。人間には環境に対応していく力と知恵がある。それを活かし、強めていく方向を向いていくこと。
それがこれまでの各地域、世界中の多様で豊かな文化も創ってきたのだと感じます。
35℃以上のような環境で、こういう住まい方・暮らし方をしようと言っているのではない。
水俣のような、猛暑日が365日中4日程度の地域、自然豊かな田舎で窓を大きく開けて過ごせば、体感温度30度程度で過ごせるところでは、こういう住まいや暮らしをしていこうよ!
そういう極めてシンプルでまっとうなことが提言・実行されているのだと腑に落ち、なにかスッキリとした管理人でした。
私自身、そういう「生き方」にまでつながる住まいと暮らしを、肩ひじ張らずに自然にやっていきたいと思います。
水俣の山や海や生き物たちを感じ、助けられながら、共感する人達とともに。
皆さんは、どういう住まいや暮らし方を選択していかれますか?
ひとつの「モデル」として、水俣エコハウスをのぞきに、遊びに、体感しにいらしてくださいねヽ(´▽`)/
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