市報連載「水俣エコハウス通信-職人さんに聞く-」⑤
水俣市広報誌に連載中の「水俣エコハウス通信」第5回の記事をお届けします。
前回の続きで、古田建具店の古田正美さんのお話の後半です。
後半は見学者からの質問を通して、水俣エコハウスの木製建具についてお聞きしました。
水俣エコハウスに使われている木や土、藁などの自然素材が持つ機能が、
その季節や気候ごとの室内を、快適な空間に保つ助けをしてくれます。
部屋の中が木陰や気持ちの良い公園で過ごしているような、自然な温かさや涼しさを感じます。
木自体が呼吸しているといった、結露や湿度から始まった木の家の説明や、
計った温度など数値化できるものが全てではないということまで、心地よさについて考える興味深いお話でした。
古田さんが手がけられた格子網戸には下に鍵が設けてあるので夜も網戸のままで安心です。
雨戸の鍵は木の閂(かんぬき)。見学に来られる方から人気で、懐かしいという声も多いです。
今の季節は建具を使い分けながら、開けっ放しにして空気を入れ替えたり、雨戸にして日差しを遮蔽したり、網戸と障子を組み合わせたり、
外と屋内を隔てないで気持ち良く過ごせられます。
「(気密性重視の建物だと)いまは風が吹いてもわからん。音がしてもわからん。」という古田さん。
「木の家を頼む人は、木の家が好きで面白さも分かっている人じゃないかな。愛着が全てだと思う。」
エアコンのない水俣エコハウスはむしろ風の流れを考えて作られてあるので、
もし外から全く風が入ってこないと暑かったりと体力面では大変ですが、
網戸やガラス戸を開けると、たいていは涼しい風が吹いてきます。
ほかにもサルスベリの花が部屋に流れてきたり、鳥の飛んでくる音や声が聞けたり、
虫やカエルのお客さんが縁側に現れたり、様々な面白さがあります。
家のつくり方の一つの選択肢として、引き続き連載のほうでも水俣エコハウスに興味を持ってもらえると嬉しいです。
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